Lecture for Mid-Career Officers

挟まれる世代から、
つなぐ世代へ。

30代・40代の仕事と人生を整える、
3つのマネジメント。

Katawara, inc. 株式会社かたわら 代表 佐藤彰悟 / 2026.05
佐藤彰悟

Speaker / About

佐藤 彰悟SHOGO SATO

株式会社かたわら 代表取締役 / 一般財団法人えぞ財団 事務局長

  • 中小企業・跡継ぎ企業・地方自治体の組織開発と人材育成を伴走支援
  • 北海道から全国へ。これまで30社超・100回超の研修・講演を実施
  • 著書『No.2じゃダメですか?』
    支える個性を持つ人を応援する実践書(事前予約クラウドファンディング達成率259%)

組織創りのすべてを、あなたのかたわらで

今日の結論

中堅職員の価値は、
「自分で抱えること」ではなく
「流れを整えること」にある。

自分を整える 人との関係を整える 仕事の流れを整える

導入

ミッドライフクライシスって、
聞いたことありますか。

人生の真ん中あたりで、これまでの歩みとこれからの時間を見直し始める時期。

01このままでいいのか仕事・家庭・地域で役割が増え、自分の優先順位が揺れる。
02先が見えてくるできることも増える一方、限界や現実も見えてくる。
03選び直しが起きる何を大事にして働くかを、改めて問い直す。

仕事における30代・40代

この時期の過ごし方次第で、
人生後半戦の働き方が左右される。

プレイヤー実務の中心として期待される難しい案件、例外対応、住民対応も担う。手は止まらない。
マネジャー候補次の管理職として見られる若手の相談相手、管理職の補佐、部署間の調整も求められる。

中堅職員は「上と下に挟まれる人」
ではなく、
上・下・横・地域をつなぐ人 であれ。

自治体サーベイ統合分析

30代・40代の声を、
6自治体・425名分から確認しました。

425
対象回答者
30代 209名 / 40代 216名
6自治体
サンプル自治体
北海道から九州まで、
様々な規模の市町村のデータを参照
5テーマ
主要テーマ
自由記述を悩みテーマ別に分類

※個人が特定される表現は扱わず、テーマ化して整理しています。
※株式会社かたわらの独自調査結果より分析

30代・40代の悩み TOP5

一番多かったのは
育成されている実感の薄さ」。

01人材育成・研修・経験機会の不足
304名71.5%
02業務量・人員不足・負担の偏在
187名44.0%
03管理職・マネジメントへの不満や不安
169名39.8%
04コミュニケーション・情報共有の不足
163名38.4%
05管理職昇任・キャリアへの抵抗感
91名21.4%

※複数テーマに触れる回答は複数カウント。割合は425名に対する比率。

共通する構造

悩みはバラバラに見えて、
実は同じところにつながっている

01 Time余白がない業務量・人員不足・突発対応で、考える時間が消える。
02 Bond関係が薄い相談・情報共有・部署間連携が弱く、孤立しやすい。
03 Vision未来が見えない育成や昇任の意味が見えず、次の役割に前向きになれない。

今日の進め方

3つのマネジメントで、
悩みの種をほどいていく

0–15導入サーベイ結果と、中堅職員の役割を共有。
15–35セルフ自分を知り、自分を崩しすぎない。
35–60タレント上司・後輩・同僚との関係を整える。
60–80オペレーション仕事の流れを整え、余白をつくる。
80–9030日アクション明日に繋がるアクションを決めて持ち帰る。
1WORK 3 min · 個人作業

今の自分の「ひっかかり」
1つ選んでみましょう。

A育成成長実感が薄い
B業務量余白がない
C上司期待が見えない
D対話相談しづらい
E将来次の役割が不安

この後のお話を1つのテーマにフォーカスし、
「自分事」として聞いてください。

— Topic 01 / 03 — 15 → 35 min

Self Management

自分を知り、
自分を崩しすぎない。

中堅になるほど、仕事の難しさより
「自分の状態を保つこと」が成果を左右する。

SECTION 01 — SELF かたわらメソッド · 対自分力

かたわらメソッド

セルフマネジメントは、
3つに分けると扱いやすい。

01 Lifeライフ価値観・役割・キャパシティを知る。社会から見た自分も捉える。
02 Taskタスク時間・リスク・依頼を管理する。自分の仕事を見える化する。
03 Mentalメンタル反芻・思い込み・怒り・期待を扱う。回復力を鍛える。

メタ認知

自分の中には、
2人の自分がいる。

本質本質的な自分大事にしたい価値観、得意・不得意、譲れないこと。「自分らしさ」の輪郭。
社会社会における自分役場職員として、係長・主査として、周囲から期待されること。「役割としての自分」。

しんどさは、能力不足ではなく
「ズレ」から生まれることがある。

レジリエンス

回復力は、才能ではなく
「心の筋肉」

感情を止めずに観察する

怒り・不安・疲れの奥にある一次感情に気づく。「今、焦っている」と名前を付けるだけで距離が取れる。

思い込みを手なづける

「どうせ無理」「自分だけ」という解釈を一度疑う。事実と解釈を分けて書き出す習慣を持つ。

支援と強みで立て直す

一人で抱えず、相談先と得意な勝ち筋を使う。回復に必要なのは才能より装備と仲間。

2WORK 7 min · 個人 → ペア

今の自分の「やりにくさ」を言葉にし、
変えられる・変えにくいことを分けてみよう。

01 Self変えられる自分の準備、伝え方、頼み方、優先順位、記録の残し方。
02 Influence影響できるチームの対話、業務の見える化、上司への相談、若手への声かけ。
03 System今は変えにくい制度、人員数、異動、首長方針、議会日程。
04 Let go手放す他人の機嫌、過去の判断、噂、完璧な理解を得ること。
— Topic 02 / 03 — 35 → 60 min

Talent Management

人と向き合う
その型を持つ。

中堅職員は、管理職になる前から
すでに「人に影響を与える立場」。

SECTION 02 — TALENT かたわらメソッド · 対人力 / マネジメント

再定義

中堅職員は、
小さなNo.2である。

Translate上司の意図を翻訳する抽象的な方針を、現場の言葉と行動に変える。
Listen若手の不安を受け止める何がわからないかを一緒にほどく。
Connect横の連携をつくる部署の壁を越え、仕事の流れを止めない。

リーダーシップだけでなく、
フォロワーシップが組織を動かす。

Will / Can / Must

人のやる気は、
3つの円の重なりで見える。

Will本人がやりたいこと大事にしたい価値観・関心・目指したい方向。
Can今できること強み・伸ばしたいスキル・経験の蓄積。
Must組織から期待されていること役割・任務・優先順位。

中堅職員の仕事は、
この3つの翻訳者になること。

Will / Can / Must · 図解

3つの円が重なる領域を、
大きくしていく。

Will / Can / Must の3円ベン図

動機づけ3要因

「やる気がない」と決めつける前に、
「動機付けの3要因」を整える。

01 Choice自己選択権自分でボールを持てているか。進め方を選べているか。
02 Efficacy自己効力感役に立っている実感、成果を出せている手応え。
03 Bondチーム協働孤立せず、周囲と一緒に進められているか。

信頼形成

信頼は「飲み会」より、
日常の接触頻度でつくられる。

見ている

小さな変化、困りごと、頑張りに気づく。気づいていることを言葉にせずとも、態度ににじむ。

聞いている

評価せず、事実と気持ちを分けて聞く。即答せず、沈黙を待つ余白を残す。

返している

約束、フィードバック、お礼、成果共有を返す。受け取りっぱなしにしない。

3WORK 8 min · 個人 → ペア

一人を思い浮かべて、
状態を見立てる

Step 1Will / Can / Mustその人のやりたいこと、できること、期待されていることは何か。3つを書き出す。
Step 23つの状態自己選択権・自己効力感・チーム協働を ◎ / △ / ✕ で評価する。

最後に、自分ができる声かけを1つ書き出す。

— Topic 03 / 03 — 60 → 80 min

Operation Management

仕事の流れを整え、
余白をつくる。

忙しさを根性で乗り切るほど、
育成・対話・改善の時間は消えていく。

SECTION 03 — OPERATION かたわらメソッド · 対課題力

問題解決の順番

すぐ打ち手に飛びつかず、
WHERE → WHY → HOW

Step 01WHEREどこで詰まっているか。誰の、どの場面の、どの作業か。
Step 02WHYなぜ起きているか。人か、仕組みか、情報か。
Step 03HOWどう変えるか。やめる・減らす・任せる・仕組みにする。

「とりあえず研修」「とりあえず会議」では、
同じ問題が次の年も繰り返される。

業務の見える化

まず、頭の中から
仕事を外に出す

01 Dump全部書き出す定例・突発・確認待ち・気になっていることまで。
02 Sort種類で分ける判断 / 作業 / 相談 / 待ち / 手放せる の5つに仕分ける。
03 Next次の一手にする15分でできる最小行動まで小さくする。
小さくなれば「隙間」でやれる。

見えない仕事は、
任せられないし、減らせない

頼る・任せる

抱え込まないことも、
立派な仕事の技術

頼めない人ほど、真面目責任感、完璧主義、遠慮、プライドが壁になる。
作法頼み方にも作法がある目的・背景・納期・なぜあなたか・進捗確認・感謝と成果共有。

任せることは、仕事を押しつけることではなく、
チームで成果を出すための設計

生産性

楽をする」は、
サボることではない。

楽をするとは、無駄な労力を減らし、
価値ある仕事に時間を戻すこと。

やめる 減らす まとめる 任せる テンプレ化する デジタル化する

自治体は制約が多い。だからこそ「変えられる小さな作業」を見つけることに価値がある。

4WORK 8 min · 個人 → ペア

自分の仕事を1つ、
軽くする

1つ選ぶ

最近、重い・面倒・属人的だと感じる仕事を1つ選ぶ。完璧に重大なものでなくていい。

分類する

やめる / 減らす / 任せる / テンプレ化 / 相談する のどれにあたるか。

15分の一手にする

明日できる最初の行動を1つだけ書く。「資料を5分眺める」レベルでよい。

統合

3つの管理は、
別々ではなくつながっている

01 Selfセルフ自分の状態を守る。
02 Talentタレント人の状態を見立てる。
03 Operationオペレーション仕事の流れを整える。

自分を整えるから、人に向き合える。
人に向き合えるから、
仕事の流れがよくなる

5WORK 5 min · 30 day commitment

30日以内にやることを
まずは1つずつ決める。

For Self自分へ状態を整えるためにやること。
For Others誰かへ声をかける、聞く、任せる、相談する。
For Work仕事へやめる、減らす、見える化する、仕組みにする。

大きな決意より、小さな実行
「誰に、いつ、何を」まで具体に書く。

まとめ

中堅職員は、
組織の“流れ”を変えられる。

悩みは個人の弱さではない

30代・40代の悩みは、役割が増える時期の自然な揺れ。構造の話として捉える。

3つを整えれば、余白は戻る

自分を整え、人との関係を整え、仕事の流れを整える。一気にではなく、循環で。

挟まれる世代から、つなぐ世代へ

上・下・横・住民をつなぐ媒介者として、自分なりの影響力を発揮していく。

— Closing —

Thank you

自分の仕事を、少し楽に
周りの仕事も、少し前に

今日の1つの行動が、
次の10年の働き方をつくります。

Katawara, inc. ビジョンを叶えるヒト・コトを。 / 株式会社かたわら 代表 佐藤彰悟